硫黄泉の効能と泉質別特徴のある温泉地
【硫黄泉】
・特徴
一番の特徴は、硫化水素ガスによる卵が腐ったような臭いです。
また、湧出直後は無色透明なお湯ですが、空気に触れて酸化することで白濁し、「湯の花」と呼ばれる黄白色の沈殿物ができます。
硫化水素ガスは金属によっては酸化させますので、アクセサリーなどは外して入浴することをおすすめします。
換気の悪い場所では、硫化水素ガスによる中毒を起こす可能性もありますので注意が必要です。
薬用効果が高く、古来より万病に効くとされています。
ただし、刺激の強い泉質ですので、病中病後や肌の弱い方は注意が必要です。
このお湯は、さらに、遊離硫化水素を含む「硫化水素泉」と、遊離硫化水素を含まない「硫黄泉」に分けられます。
・効能
<慢性気管支拡張症>
硫化水素ガスの痰を出しやすくさせる作用によります。
「痰の湯」とも呼ばれています。
<動脈硬化>
炭酸ガス同様、抹消毛細血管の拡張作用によります。
<心臓疾患>
心臓の冠状動脈や脳動脈の拡張作用によります。
<金属中毒、薬物中毒>
解毒作用によります。
<糖尿病>
硫黄イオンのインスリンの生成を促す働きによります。
そのほかに、慢性皮膚病、慢性関節リューマチ、疥癬などにも効果が期待できます。
・温泉例
硫黄泉では、北海道の登別温泉、栃木県の日光湯元温泉、長野県の別所温泉、群馬県の万座温泉、長崎県の雲仙温泉などがあり、硫化水素泉では、長野県の熊の湯温泉や湯田中温泉、鹿児島県の霧島温泉、秋田県の黒湯温泉などがあります。
二酸化炭素泉と塩化物泉の効能と泉質別特徴のある温泉地
【二酸化炭素泉】
・特徴
無色透明で、お湯に溶け込んでいる炭酸ガスが、入浴中に泡となって身体につくことから、「泡の湯」とも呼ばれています。
炭酸ガスが身体を刺激し、毛細血管を拡張させ血行をよくなることから、高血圧や心疾患に効果があり、「心臓の湯」とも呼ばれています。
炭酸ガスは高温での溶解度が低いため、泉温度の低い温泉が多くなります。
・効能
高血圧、動脈硬化、切り傷、ヤケドなど。
飲泉では、胃腸の運動を高めるため、便秘や食欲不振。
・温泉例
日本では数の少ない温泉ですが、山形県の肘折温泉、長野県の棧温泉、兵庫県の湯村温泉、大分県の長湯温泉、熊本県の辰頭温泉があります。
【塩化物泉】
・特徴
単純温泉と並び、日本では多い温泉です。
無色透明ですが、塩辛く、肌がべとつきや、石鹸が泡立たないことの多いお湯です。
皮膚に付着した塩分により保安効果が高く、よく温まり湯冷めもしにくいので、「熱の湯」といわれています。
外傷や皮膚病などに効果があります。
また、ナトリウムイオンは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促進させる働きがあり、女性の更年期障害にも有効とされています。
・効能
リュウマチ、打ち身、捻挫、冷え性、腰痛、神経痛、肩こり、婦人病など。
飲泉により、胃腸の働きを活発にさせるため、胃腸病や慢性便秘に効果。
・温泉例
北海道のウトロ温泉や野付温泉、宮城県の秋保温泉、山形県の東根温泉や上山温泉、栃木県の喜連川温泉、群馬県の四万温泉や塩川温泉、神奈川県の箱根湯本温泉や宮城野温泉、長野県の渋温泉や湯田中温泉、静岡県の熱海温泉や伊東温泉・石部温泉などがあります。